禁断の出会い その6
2004年5月11日■あの頃の私たち
とにかくキラキラしていた。
惜しげもなくそのきらめきを大阪の街中にばら撒くかのように無防備に、振りまいていた。
少しの毒と、多くの煌き。
ほんの一瞬の出来事。
危ないことだって平気。だって今しか味わえない煌きの中の毒は。
大人になって馬鹿みたいに大人の男に貪られる寂しさはあの頃私たちが一番嫌悪していたことだった。
そのとき味わう毒はきっと苦いだろう。
涙も多く流すだろう。
そして、多くの歳をとってしまうに違いない。
どうせ貪られるのなら、飛び切りの大人。魅力的な男に私は抱きしめられたかった。初めてのすべてを。
私たちは特別。
幼い女にありがちな傲慢さを持ち合わせて。
若さだけが武器。
だから飛び切りのものを頂戴よ。
初めてのものばかりをあげるから。
■学校にて
美香が私に言う
「初めてのデートでやらせてはだめよ。うんとご馳走してもらって、いい服を買ってもらって、あんたさえよければ御報美としてするの。いい?あんたはまだ処女なんだから、安売りはしてはいけない。恥ずかしいことなのよ。」
彼女は大きな眼をクリクリさせていう。
この2年後彼女は学校をやめ、芸能界に入った。
その後、多くの男と知り合い、時には暴力を振るう彼もいたようだけど、今は社長婦人としてのうのうとセレブを楽しんでいる。
私は美香のすべてが好きだった。
あのカリスマ性。
誰だって人目で彼女のすばらしさ、無邪気さ、そして毒にやられてしまう。
教師だってそれは同じこと。
私は彼女と友達ということだけで、かなりの得を得たのも確か。
「美香。あの男。すごくいい。どうすればいい?」
私は無邪気に笑ってそういった。
彼女は少し驚いて「まさか?!本当に?あんなやつ24歳だよ。親父だよ?」
「うん。かっこいい。すごくいい。わくわくする。」
胸を押さえてゲラゲラ笑った。
「あんた。本当にそれでいいの?」
毒の調和をするように彼女はそういうけれど、私は彼に会う約束を水曜日の晩におさえていた。
■彼との電話
夏休み最後の夜に近くの小学校で夏祭りがあった。
私たちがどうどうと、夜出歩けるの夏祭りくらいないと出られない。
もちろん私は出かけた。
中学校の同級生と。
久々にあった級友たちは、どこか古ぼけて見えた。
幼さが鼻についた。
私はもう大人なんだと思っていた。
彼女たちに、あの彼の話をしなかった。
中学のときに好きだった男の子が私たちを見つけて声をかけてきても、どこかミルクくさい子供に見えた。
私は息苦しくなって、彼の電話番号に近くの公衆電話から電話した。
「わたし。サクラ。」
「あ・・。」
寝起きのような彼の声。
「電話くれるとは思わなかった。りかちゃん電話かとおもった」
「いじわるね。」
私は少しふき出して彼にいう。
周りにはたくさんの人と提灯の明かりがキラキラしていた。
夏ももう終わりなんだと切なくなった。
少しの沈黙のあと、彼が言う。
「この前聞けなかったんだけど、君いくつ?」
「私は18歳」
2つ歳を多くいってみた。
彼は少しうーんと唸って「若いんだね」と標準語の濃い言い方で私を喜ばした。
そしてもう一度同じ調子で
「とまりにおいで」と私を誘った。
私の眼の前で、中学生の時大好きだった男の子が私に微笑みかけて手招きしている。
私は無視をして、もう少しだけ彼の綺麗な言葉を聞いていたかった。
とにかくキラキラしていた。
惜しげもなくそのきらめきを大阪の街中にばら撒くかのように無防備に、振りまいていた。
少しの毒と、多くの煌き。
ほんの一瞬の出来事。
危ないことだって平気。だって今しか味わえない煌きの中の毒は。
大人になって馬鹿みたいに大人の男に貪られる寂しさはあの頃私たちが一番嫌悪していたことだった。
そのとき味わう毒はきっと苦いだろう。
涙も多く流すだろう。
そして、多くの歳をとってしまうに違いない。
どうせ貪られるのなら、飛び切りの大人。魅力的な男に私は抱きしめられたかった。初めてのすべてを。
私たちは特別。
幼い女にありがちな傲慢さを持ち合わせて。
若さだけが武器。
だから飛び切りのものを頂戴よ。
初めてのものばかりをあげるから。
■学校にて
美香が私に言う
「初めてのデートでやらせてはだめよ。うんとご馳走してもらって、いい服を買ってもらって、あんたさえよければ御報美としてするの。いい?あんたはまだ処女なんだから、安売りはしてはいけない。恥ずかしいことなのよ。」
彼女は大きな眼をクリクリさせていう。
この2年後彼女は学校をやめ、芸能界に入った。
その後、多くの男と知り合い、時には暴力を振るう彼もいたようだけど、今は社長婦人としてのうのうとセレブを楽しんでいる。
私は美香のすべてが好きだった。
あのカリスマ性。
誰だって人目で彼女のすばらしさ、無邪気さ、そして毒にやられてしまう。
教師だってそれは同じこと。
私は彼女と友達ということだけで、かなりの得を得たのも確か。
「美香。あの男。すごくいい。どうすればいい?」
私は無邪気に笑ってそういった。
彼女は少し驚いて「まさか?!本当に?あんなやつ24歳だよ。親父だよ?」
「うん。かっこいい。すごくいい。わくわくする。」
胸を押さえてゲラゲラ笑った。
「あんた。本当にそれでいいの?」
毒の調和をするように彼女はそういうけれど、私は彼に会う約束を水曜日の晩におさえていた。
■彼との電話
夏休み最後の夜に近くの小学校で夏祭りがあった。
私たちがどうどうと、夜出歩けるの夏祭りくらいないと出られない。
もちろん私は出かけた。
中学校の同級生と。
久々にあった級友たちは、どこか古ぼけて見えた。
幼さが鼻についた。
私はもう大人なんだと思っていた。
彼女たちに、あの彼の話をしなかった。
中学のときに好きだった男の子が私たちを見つけて声をかけてきても、どこかミルクくさい子供に見えた。
私は息苦しくなって、彼の電話番号に近くの公衆電話から電話した。
「わたし。サクラ。」
「あ・・。」
寝起きのような彼の声。
「電話くれるとは思わなかった。りかちゃん電話かとおもった」
「いじわるね。」
私は少しふき出して彼にいう。
周りにはたくさんの人と提灯の明かりがキラキラしていた。
夏ももう終わりなんだと切なくなった。
少しの沈黙のあと、彼が言う。
「この前聞けなかったんだけど、君いくつ?」
「私は18歳」
2つ歳を多くいってみた。
彼は少しうーんと唸って「若いんだね」と標準語の濃い言い方で私を喜ばした。
そしてもう一度同じ調子で
「とまりにおいで」と私を誘った。
私の眼の前で、中学生の時大好きだった男の子が私に微笑みかけて手招きしている。
私は無視をして、もう少しだけ彼の綺麗な言葉を聞いていたかった。
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